好きなお花やパーツなど色んなものを閉じ込めることができる透明感のあるレジン。
「レジンって聞いたことはあるけど、どんなもの?どうやって作るの?」
レジン初めてさんでもわかるように1から丁寧に解説していきます。
目次
レジンって何?どんなもの?
レジン(resin)というのは、日本語で「樹脂」のことを言います。
樹脂は、松脂(まつやに)や天然ゴムなどの天然樹脂と人為的に製造された合成樹脂があります。
樹脂の種類は非常にたくさんありますが、アクセサリー製作などで「レジン」といわれるのは合成樹脂の「UVレジン」と「エポキシ樹脂(エポキシレジン)」のことをさす場合が多いです。
※以下、レジンはUVレジンとエポキシ樹脂(エポキシレジン)のことをさします。
2種類のレジンの特徴
約6分で固まる!手軽に楽しめる「UVレジン」
手芸、ハンドメイドでは、UVレジン液にパーツなどを封入して、紫外線で固めてアクセサリーなどを作る手芸のことをUVレジンと言います。
UVは(ultraviolet)ウルトラバイオレットの略で紫外線という意味です。
UVレジン液は紫外線に反応して、液体から固体に化学的に変化して固まります。
紫外線に当てる方法は主に2通りで、太陽の光、もしくはネイルで使用するUVライプ(紫外線照射機)を使用する方法があります。
UVレジンは2014年頃から手軽に好きなパーツを入れた透明感のあるアクセサリーが作れると人気です。
手軽に作れ、厚みが薄い作品制作にUVレジンは適しています。
立体的な表現を楽しめる「エポキシ樹脂(エポキシレジン)」
エポキシ樹脂とエポキシレジンも呼び名が違うだけで同じ意味です。
エポキシ樹脂は、「主剤」と「硬化剤」2種類の液を混ぜ、化学反応で固まる樹脂です。常温放置で約1日~2日で固まります。
透明度が高く、質感や手触りも良いため、高級感のある仕上がりになります。
UVレジンに比べ、計量の手間や硬化に時間がかかることもあり、敷居が高いと思われている人は多い印象でした。
しかし最近は、リバーテーブル(レジンのダイニングテーブル)やウッドレジン(木とレジンが融合した作品)など幅広い作品が認知され出し、エポキシ樹脂を楽しむ人は増えているように思います。
化学反応で固まるため、厚みのある立体的な作品を制作することができるのでエポキシ樹脂で表現できる作品の幅は無限大です。
最低限揃えたい材料や道具は?
レジンの材料や道具は実店舗なら手芸店や100円ショップでも購入することができます。
便利な道具はたくさんありますが、最低限準備したいものを紹介します。
UVレジンに必要なものは?
UVレジン液
ボトルの中に透明なUVレジン液が入っています。
UVレジン液は光が当たると固まるので、遮光性の容器に入っています。
UVレジン液には、ハードタイプ、ソフトタイプなど硬さの表記があります。通常のアクセサリー製作用途では、ハードタイプを選んで下さい。※ソフトタイプは固まった後も弾力性をもたせたいときに使用します。
UVレジン液はメーカーによって、以下のような性質が違います。
・透明感
・質感
・硬化するまでの速度
・気泡の抜けやすさ
・粘土
・匂い
・黄変のしにくさ(経年変化による樹脂の黄色くなりにくさ)
・価格
自分が作りたいものや匂いや質感など、好みによってもベストなUVレジン液は異なります。
「上手く作品ができない!!」というのは、レジン液が原因ということは多いです。
色々なUVレジン液を試して、自分のお気に入りを見つけてください。
レジン液を選ぶポイントについてもっと知りたい場合は、こちらの記事が参考になります。
UVランプ
太陽光だと季節や時間帯、天気によっても紫外線量が異なります。天気が悪いと、全然固まらない!ということもあるので、UVランプがおすすめです。
UVライトにあてると約6分ほどで固まります。
太陽光とUVランプ(UVライト)の比較は、こちらの記事が参考になります。
エポキシ樹脂(エポキシレジン)に必要なものは?
エポキシ樹脂液
主剤と硬化剤それぞれに別の容器に入っています。
UVレジン液と同じく、メーカーによっても以下のような性質が違います。
・透明感
・質感
・硬化するまでの速度
・気泡の抜けやすさ
・粘土
・匂い
・黄変のしにくさ(経年変化による樹脂の黄色くなりにくさ)
・価格
ここまではUVレジン液と同じですが、エポキシ樹脂は主剤と硬化剤の混合比率がメーカーによって異なります。
例
混合比率 主剤:硬化剤=10:4(重量比)と書かれている場合は、主剤10gに対して硬化剤4gを混ぜて下さいという意味です。
温度によっても硬化の早さが変わり、温度が高いと硬化が早く、低いと硬化が遅くなります。
スケール
主剤と硬化剤の量を測るためのはかり。
正確な重さを量る必要があるので、デジタル表記の0.1g単位で量れるものがおすすめです。
一度に作成する量が極端に少ない場合は計量に誤差が生じやすいため、未硬化につながりやすいです。
取扱説明書に記載の適量での制作をおすすめします。
主剤と硬化剤の量を正しく量ることが失敗しない第一歩です。
2つの樹脂に共通する必要な道具
着色剤
レジン液に色をつけるためのもの。
着色剤には固まる力がないため、入れすぎるとレジン液が固まらない原因になります。
レジンの着色についての基本的な知識は、こちらの記事が参考になります。
容器とスティック
容器はレジン液に着色したり、エポキシ樹脂を計量したりするときに使用します。
スティックは容器から型などに流し込む時や着色剤をかき混ぜたり、気泡を取るときなどに使います。
型(モールド)
レジン液を固めるための型。
UVレジンは紫外線が透過する透明な型にしか使用できません。
レジンは型の形に固まるので、ワクワクする型を見つけて下さい。
型を使ったレジンの基本的な作り方はこちらを参考ください。
封入物
パーツ、ビーズ、ラメ、ホログラム、押し花、ドライフラワーなど、油分や水分がない多くのものはレジンに閉じ込めることができます。
本格的にレジンを楽しむのに必要なものはこちらを参考ください。
レジン作り方の全体の流れを把握しよう!全9ステップ!
作り出す前に全体の流れを確認していきましょう!!
1.デザインを考える
どんなものを作るかデザインを考えます。
頭で考えるのが苦手な人は使いたい型やパーツを配置してみたりして、実際に手を動かしながら完成した作品を具体的にイメージしていきます。
2.計量する
※エポキシ樹脂のみの工程になります。
主剤と硬化剤を計量し、よく混ぜます。
3.着色する
※レジン液に色付けしたい場合のみの工程になります。
レジン液に着色剤を加え、よく混ぜます。
混ぜるとレジン液に気泡が出てきます。
スティック(つまようじ)で気泡を丁寧にすくい取りましょう!
4.注型する
型やミール皿にレジン液を流しこみます。
5.封入する
レジン液にパーツなどを入れます。
6.硬化する
パーツの位置、気泡やほこりなどが入っていないか、傾いていないか確認してから硬化します。
固まるとレジン液の中のパーツを動かしたり、気泡を消すことはできないので、きちんと確認してから固めましょう!
7.層をつくる
2~6を繰り返し、レジンの層を作っていきます。
層をつくることによって、作品に奥行きを表現することができます。
8.仕上げ
バリ(凹凸のあるレジンの突起)などは取り除きます。
表面を綺麗にしたい場合は磨いていきます。
9.金具付け
金具を取り付けます
完成!
大まかな全体の流れを知っていると、デザインも考えやすいです。
初めてのUVレジン!ミール皿で作るペンダントトップの作り方
UVレジン初めてさんが作りやすいミール皿を使ったペンダントアクセサリートップの作り方をお見せしますね。
先ほどの9ステップで考えます。
1.デザインを考える
2.計量する ※UVレジンだから関係ない
3.着色する ※着色しない
4.注型する
5.封入する
6.硬化する
7.層を作る ※層をつくらない
8.仕上げ ※仕上げしない
9.金具付け ※金具付けしない
①デザインを考える
②注型する
③全体に広げる
④パーツを封入する
⑤硬化する
⑥完成!
枠のある金属パーツにUVレジン液を流して、好きなパーツを中に入れて、紫外線をあてて固めると完成です。
初めてのエポキシ樹脂(エポキシレジン)!バングルの作り方
エポキシ樹脂の透明感を感じて頂くのは、型を使うのが一番!
型を使ったバングルの作り方をご紹介します。
9ステップは以下の通りです。
1.デザインを考える
2.計量する
3.着色する
4.注型する
5.封入する
6.硬化する
7.層を作る
8.仕上げ
9.金具付け ※金具付けしない
①デザインを考える
②計量する
③注型する
④パーツを封入する
⑤層を作る
完成!
透明なエポキシ樹脂を半分流し、チェーンやホロ、チャトンを閉じ込め2日間硬化させます。薄く緑に着色したエポキシ樹脂を流し、硬化。型から取り外し、バリを取ります。耐水ペーパー、コンパウンドで研磨して、完成です。
レジンの特性
硬化後の強度
アクセサリー用途の大きさ、重量のもので割れたりすることはほぼないです。
レジン歴10年以上のなつこ先生は今まで約5000以上の作品を制作していますが、割れたものは一つもないです。
黄変に関して
経年変化でレジンは黄色くなっていきます。
レジン液の種類によっても黄変のなりにくさがありますが、基本的には黄変するものです。
着色をすると、黄変はほとんど、わからなくなります。
黄変になりにくいエポキシ樹脂も最近は発売されています。
経年変化による黄変を作風に活かすというのもよい発想だと思います。
レジン取り扱いの注意点
使い方を理解して、正しく扱うと安全です。
硬化前のレジン液を素手で触らないようにしよう!
レジン液は有機溶剤です。
レジン液は手で触らないようにしてください。
手袋を着用しての作業がおすすめです。
直接触ると皮膚が痒くなったり、発疹が出たりする事もあります。
万が一、皮膚についたら拭取った後、石鹸でよく洗い流してください。
レジン液は十分固まってから触ろう!!
レジンは固まると、非常に安定したものになり、アクセサリーとして肌に触れても全く問題ありません。
充分な硬化を待たずに「もう固まったかな?」と硬化を手で確認しないようにしてください。
固まっていないレジン液を触ることになります。
また、レジンにも指紋の跡がべったりとつきます。
早く次の手順に進みたい気持ちは分かりますが、十分硬化させてから触るようにしましょう!
最後に
レジンは頭の中で思い描いた世界を自由に表現できます!
森のレジン学校では、レジンが綺麗な作り方や色々なものを作るためのヒントがたくさん書かれています。
作り方の知識が増えると、表現できる幅が広がり、失敗することも少なくなります。
みなさんのワクワク作品づくりにこのブログがお役に立てるととても嬉しいです。
レジンは固まってしまうと、やり直しができないので、出来るだけ具体的にイメージする必要があります。